2012年12月7日金曜日

思い出が、次から次へと


小学生の頃。
父と母からお誕生日にもらったオルゴール。
ひさびさに見つけました。

そのすぐそばには、高校生の頃に書いた詩。
なつかしい、ものが、いろイロと。
そういうタイミングなのかもしれません。今。




パンクした自転車


パンクした自転車引いて繁華街を歩いた
ノースリーブの女性がくすくす笑い
学校帰りの女子高生がひそひそ耳打ち
茶色の背広を着たサラリーマンの迷惑気な表情
自販機前のタムロ少年の罵り言葉
私は顔を伏せた

パンクした自転車が生み出す音楽
パンクした自転車の格好悪さ
私は繁華街の途中で立ち止まった
自転車屋でも直せない自転車
こんなでかいもん抱えてどこへ行けばいい?
視力低下進行中の私の周囲はお化けばっか
付けてたコンタクトもどっかに落とした
いや、捨てた

前に進むことも
後ろに下がることも出来ぬまま
私の頭上に雨が降る

パンクした自転車置き去りにした
閉店間際の家具屋の前で
ぽつんと佇む自転車ひとつ
私は繁華街を駆け抜けた
「新しいのを買えばいい」
と自分を慰めるけど
生まれた時から乗ってた自転車
これから先も乗る運命

深夜パンクした自転車迎えに行った
パンクした自転車の生む音楽も
パンクした自転車の格好悪さも
相変わらずだけど
パンクした自転車で坂道上った

パンクした自転車でも
坂道上れるんだあ



自分のことが大嫌いだった高校生の頃。
でも、「そんな自分もいいかなあ」と思えるようになった時に書きました。

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