2015年4月17日金曜日

スパークさせる


俳人・夏井いつきさんは、小中高の子どもたちに俳句の授業をする時、「感動を伝える」「目の前のことを表現する」というところからではなく、『取り合わせ』(五文字の季語+季語とは関係のない12文字でつくる)という俳句の技法を使って、「すでにある12文字に季語をつける」「季語に合わせて12文字を考える」などのやり方で、表現することのおもしろさ、楽しさを伝えるところからはじめるそうです。

「感動を伝える」「目の前のことを表現する」ところからはじめると、固定観念や意味ありきでつくってしまうため、多くは似たような、ありきたりな句ばかりが出来上がってしまう・・・でも、思いつきくらいの瞬発力・ひらめき力で『取り合わせ』の句をつくると、多彩な句が出来上がる。

同じ12文字でも、どんな季語をあてはめるかで、一句の世界はどんどん変わっていく。この言葉とあの言葉をつないで想像もしない表現が生まれて、それに感動する・・・できた表現から、何かを発見することもあります。

瞬発力・ひらめき力によって、固定観念から脱却し、意味からも解放されて、表現の幅がどんどんのびやかになっていくのだと思いました。


夏井いつき著『夏井いつきの俳句の授業 子供たちはいかにして俳句と出会ったか』(創風社出版)を読みながら。

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