2019年12月18日水曜日

松田豊美さんの個展へ


松田さんとの出会いは、企画展覧会「about me~“わたし”を知って~」。松田さんはアーティストであり、ご夫妻で「アトリエ ペンライズ」という障害福祉サービス(生活介護)事業所を営んでおられます。

松田さんの表現は「油絵の具の偶然とひらめき」「心を動かし出来た色や筆跡」とのこと。

じっと見つめていると、風、さまざまな色のセロハンを光に当てて見ているようなどこか懐かしい感じ、水の流れ、ハナウタ、スキップなどして遊ぶ子ども、人々の営みなどのイメージが広がってきました。

すっごく深い、黒や紺、赤。なのに、重くなくて、どこか軽やか。作品と対峙していると、うきうき・・・いや、「心が躍る」ような感じがしてきました。

混ざり合わないけど、交わり合うほどに、豊かに、やさしく。実際の松田さんを知っているというのもあってでしょうか。全体的に、あったかいんだなあー。

松田さんの個展は今週末12月21日(土)まで、「O Gallery eyes」(大阪・西天満)で開催。
http://www2.osk.3web.ne.jp/~oeyes/?fbclid=IwAR0PNwXcOFGLawU-ZLCFpr8cH14TT9s5UAUwrntwL2gTRZQ-b3HIOLzu_gY

松田豊美さんウェブサイト
https://toyomi-matsuda.net/

アトリエ ペンライズ
http://penrise.co.jp/

2019年11月6日水曜日

秋空を見上げ、のんびりしたい気持ちになった展覧会


「障害のある人も、ない人も、大人も、子どもも、作家も、素人も、絵を描くことが好きな人はここに集まればいい」との願いが込められた「ビッグ・アイ あーと工房 みずのみば」。

絵画講師の水野浩世さんが、「国際障害者交流センター ビッグ・アイ」のプロデューサーである鈴木京子さんと出会ったことで生まれた場所です。

毎週土曜13:00から16:00まで、いつ来てもいつ帰っても、絵を描いても描かなくても、お菓子を食べてもコーヒーを飲んでも、そこにいるだけでもいい・・・ゆるゆるっとした時間を積み重ねて3年、その中で生まれた作品を展示している「ビッグ・アイあーと工房みずのみば展 MIZUNOVIVA EXHIBITION」。

お一人おひとり、世界観も作風も表現しているものもさまざまなはずなのに、何かつながっているものを感じました。それはきっと、水野さんが書き綴ったキャプションから、作者の人となりや「みずのみば」での人と人とのつながり、過ごし方などが見えてくるから。

もしかしたら、中にはつらいこと、かなしいことなどを表現している作品があるかもしれません。でも、そういった感情さえも包み込んでしまうような、これを表現している時間は少し光に満ちているような、何かを感じました。

キャプションを読みながら、作品を見ていると、お菓子の袋を開ける音、もそもそボリボリしている音、カキカキごろごろサァーサァーという音、まるでハナウタみたいな歌声も聞こえてきそうで♪ 帰り道に、今日のよいお天気の秋空を見上げ、のんびりしたい気持ちになった、そんな展覧会です。

写真は販売されていたポストカードです。今日感じたことなどをお手紙に書いて送りたくなりました。あの人にはこのポストカード、その人には・・・と送りたい相手の顔も思い浮かんでいます。

「ビッグ・アイあーと工房みずのみば展 MIZUNOVIVA EXHIBITION」は11月10日(日)まで(10:00~17:00)、堺市・泉ヶ丘の「ビッグ・アイ」にて。詳細はこちらをご覧ください。
https://www.big-i.jp/contents/art/detail.php?eid=00815&category=2

2019年10月19日土曜日

展覧会「Exploring-共通するものからみつける芸術のかけら」


展覧会「Exploring-共通するものからみつける芸術のかけら」へ。
http://www.enokojima-art.jp/exploring2019

障害のある人の表現活動に関わっている現代美術作家が、自身の作品と「共通するもの」をテーマに、障がいのある作家・作品を推薦。6組が出展し、推薦者の現代美術作家が障がいのある作家・作品についてのテキストを寄せています。

企画展覧会「about me~“わたし”を知って~」でいつもお世話になっている大澤辰男さんと、第1回目の出展作家の加地英貴さんが出展されています。

大澤さんは現代美術作家としてご自身も表現活動を続ける中、東大阪市に「美術教室ライプハウス」、障害のある作家が制作に専念できるアトリエとしての「生活介護事業所 アトリエライプハウス」を運営しています。
◎美術教室ライプハウス
https://www.ripehouse.jp/
◎生活介護事業所 アトリエライプハウス
https://www.atelierripehouse.com/

大澤さんが推薦した作家の加地さんが「美術教室ライプハウス」に通い始めたのは約12年前。こうしておふたりの作品を並べて見たり、テキストを読んだりする中で、大澤さんと加地さんの世界観に何か交わるところを感じました。

もともとおふたりの中にある共通の興味・なぜか心ひかれるもの(夕焼け、自然の景色、日常の一場面)などが結びついているのでは。関わりの中で生まれたものもあるのでは。・・・など、出会い、同じ時間をともしている2人の作品をこうして並べて見たことで、想像が広がるものがありました。

「about me 3」の作品選定会議でも話題に上がっていた「指導ではなく、引き出すだけだが、講師の作風や作品に似てくることがある」。

人と人が出会うということは、影響を与え合うということなんだと改めて思います。極端な話、たった一瞬の出会いでも、直接会っていなくてもつながれば、その相手から受け止められる「何か」はあって、誰しもその受け止めたものを、自分の中の「何か」に変えているのだろうなあ・・・考えはまとまりませんが、考える種をいただいています。

展覧会は明日10月20日(日)16:00まで、「大阪府立江之子島文化芸術創造センターenoco」で開催。

2019年10月6日日曜日

娘、インスタ始めました!

「chie_loopdrawing」のアカウントで投稿しています。時々、ピックアップして、フェイスブックページでもシェアします。今回は母娘でショッピングモールのスーパーに買い物に行った時の出来事です。


おかあさんとスーパーにいったとき、Qooを見ていたら、ぐうぜんQooのファイルをあげると言われました!連絡先を交換しないでまた会えたらといっていたのですが、またぐうぜん会えました!TWICEのファイルをもらいましたー!
#TWICE #Qoo #おまけ #クリアファイル

投稿詳細


娘はTWICEファン。今、ジュース「Qoo」のパッケージがTWICEで、お目当てのメンバーのパッケージを探していたら、「TWICE、好きなの?」「そのクリアファイルを持っているんだけど、いる?」と声を掛けられました。「火曜日の19時にまたここで。会えなかったら、お店の人に渡しておくわ」と、連絡先も何も交換せぬまま、別れました。

「本当かな?」「あの約束で会えるのかな?」「お店の人に渡せるのかな」「でも、あの人は嘘つかなさそう」など、母娘でふわふわ会話しながら。本当だったら、待たせたら申し訳ないので、火曜日19時にお店に行ってみることにしました。15分待っても会えず、お店の人に「何か預かってもらっていますか?」と聞く勇気も持てず。

ショッピングモールでうろうろして、「さあ、スーパーで買い物して帰ろう!」と買い物をしていたら、会えました!! いつもスーパーには仕事帰りに立ち寄るらしく、残業のために遅くなったとのことでした。今日は会えなくても、いつか会った時のために、ずっと持ち歩いておこうと思ってくださっていたとのこと。あの約束で、こうして出会えるなんて!! それだけで、「ああ、今日はいい日だったなあ」と思える出来事でした。また、あのスーパーに買い物に行った時、お会いできるかなあなんて思いながら。

2019年9月27日金曜日

ぽおぉっと、癒されるもの


手のひらにのせてみた瞬間、すぅっとフィットしたうろこ模様の三角錐型のキーケース。播州織の職人さんと一緒にものづくりをしている播州織テキスタイルデザイナー・作家の大塚美智代さんの手づくりです。

とてもかわいらしくて、いとおしくて、なんだか優しい気持ちになってきて、癒されるというフシギな感じ。あめちゃん入れにして、かばんの中に入れて持ち歩こうと思います。そして、時々手のひらにのせて、癒されます。

大塚さんのイベント「niki*Texworks "Puzzle" ~ niki*のテキスタイルが新たな"piece" と組み合わさって見えてくるかたち。」は、明日9月28日(土)まで「Gallery&Space Parade」(大阪・南船場)で開催中。大塚さんがつくった洋服やストール、小物とあわせて、スペシャルなコラボアイテムがあります。詳細はこちら↓
https://www.facebook.com/events/360992771457338/

大塚さんには以前、「関西ウーマン」で取材させていただきました。
★あるものを生かして、自分らしい表現をしたい」
https://www.kansai-woman.net/theme672.html

2019年7月31日水曜日

7月になると。


娘を抱っこひもで抱っこしながら、両手に買い物袋を持って歩いた夏の日の、強い日差しのこと。妊娠9カ月の頃、夕方おなかが張ってきて事務所周辺をおさんぽした時に感じた、心地よい夜風のこと。

7月になると、いろいろなことを思い出します。

最後はいつも、未婚で産み育てていこうと決めた日に、自宅から見えた雲がほわほわっと浮かぶ、やさしい青い空を思い出します。

あれから12年。こうして今を一緒に生きていられることが、とても嬉しい。

2019年6月3日月曜日

同じ17歳だった。


19年前。同じ17歳だった。

2000年5月1日、愛知県豊川市主婦殺人事件、動機は「人を殺してみたかった」。同年5月3日、西鉄バスジャック事件。

高校3年生~大学1年生にかけて読んだルポルタージュ。私も彼らと同い年、同じ空気を吸っている実感があった。もしかしたら、私の中にあったもやもや、ぐちゃぐちゃした「何か」も表出が違えば、その方向に進んだかもしれないと思っていた。

私は、小説や詩を書くことで、自分の中にあるものを出せるようになり、それはフィクションのようで、まぎれもない私自身。その中にいる私に気づいてくれた人が、私と向き合ってくれたから、その「何か」を昇華させることができた。大嫌いだった、生きている意味もないと思っていた、自分も他人も「いいもんや」と思えた。

もし、その人がいなければ、今もその「何か」を昇華させることができず、くすぶらせていたかもしれないと思う。


2019年5月30日木曜日

願い


誰かが、誰かのことを思っていて。
それが、つながって。
誰もが、誰かに思われていたらいいなあと。
そんなことを願いました。


どんな状況にあったとしても。
一呼吸をおいて、そこから。
それぞれの希望を見出せますように。

2015年、2016年の絵封筒展に出した絵封筒には、そんな願いを書き綴っていました。


2019年5月15日水曜日

脈々と続くということ


昨年は小学校のPTA、今年は市営住宅の理事で、昨日も今日も会合でした。1年交替で順番に回ってくるのですが、前回理事だったのは今から7年前。当時の集金ノートを見ると、5歳だった娘と一緒に回っていたのか、娘が書いたらしき、「○」が。

阪神淡路大震災で住んでいた文化住宅が半壊、その後、仮設住宅を経て、今の復興住宅(市営住宅)へ。入居して20年近くが経ちます。こうして脈々と続いていることって、実はすごいことだよなあと思ったのです。


同じようなことを、7年前にも思っていたと気づいた、さっき。フリーペーパー「えんを描く」11通目でそんなことを書き綴っていました。
http://freepaperloopdrawing.blogspot.com/2013/11/11.html

2019年4月2日火曜日

旅するフリーペーパー! 今度は福岡へ

私が訪れたことのない場所にフリーペーパーが行く。会ったことのない人とフリーペーパーを通してつながる。とってもココロときめくことです。それは、まだ会ったことのない人と文通することに似ているのかもしれません。

福岡県福岡市にある「読み人とフリーペーパーをつなぐ空間 FREHAKO!」に、フリーペーパー「えんを描く」&みんなと一緒に即興フリペ「みんな de フリペ」を置いていただけることになりました。

きっかけは、2年前の「第2回全国フリーペーパー展 in 都城」。そこで、手にしてくださったのをご縁に、今回お声掛けいただけたようです。その時のフリーペーパー展について書いたブログ↓
http://freepaperloopdrawing.blogspot.com/2016/09/in_5.html


「第2回全国フリーペーパー展 in 都城」開催時には、思いきって生まれて初めて九州へ。企画者のキクカワマサミさんとお会いできました。参加するきっかけをつくってくださったのは、フリーペーパーに関するさまざまな情報を発信しているWEBサイト「フリペ通信」のハシヅメさんでした。

フリーペーパーを通してつながったさまざまなご縁を思い出します。そして、「FREHAKO!」に娘と一緒にうかがう日が楽しみです。

FREHAKO!
https://twitter.com/frehako_
https://www.facebook.com/frehako/


2019年3月10日日曜日

原宿 de フリペ!


「紙とペン(+自分と伝えたい相手)があれば、フリーペーパーをつくれる!」と思い立ち、旅先の喫茶店&新幹線でB5両面のフリーペーパーを娘とつくりました。

現在、届け中の21通目で、娘が「行ってみたい」と話していると書いた「原宿」へ。昨年は仕事が忙しいを理由に、娘とおでかけの時間をあまり持てなかったので、思いきって「娘が行ってみたい」ところに行ってきました。

21通目につながる内容なので、コピーして「当たり!」的に10部に1部くらいの割合で付けてみようと思いますが、ウェブ上でも公開。



また、みんなと一緒に即興フリペ「みんなdeフリペ」をつくりたくなりました(以下URL、下のほう)。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~loopdraw/freepaper/index.html


2019年3月8日金曜日

「また機会があったら」をつなぐ、フリーペーパー


そういえば、今回のフリーペーパー「えんを描く」は、「新幹線? 小さい屋根のほうがかわいいかな」折りにしたのだったと思い出した、さっき。

新幹線で楽しい出会いがありました。

1分でも早く帰れるならと、出張先の東京から飛び乗った新幹線。週末だから混んでいて自由席は座れず、隣り合わせた人と「どこまでですか?」「これは新大阪まで立ちっぱなしですかね」と会話が生まれ、名古屋からは隣同士に座れたので、しばしおしゃべり。

帰り際、「なんだか、さみしいですね」という話になって、フリーペーパーを渡しました。以前も、電車で隣り合わせた人と会話が生まれ、フリーペーパーをお渡ししたら、そこから文通が始まったのでした。

フリーペーパーって、ダイレクトに連絡先を交換するのとも、名刺を渡すのとも、なんか違う。いい感じの距離感で、つないでくれるものだなあと思っています。


2019年1月26日土曜日

「生きづらさを抱える人たちの物語」を観て


ドキュメンタリー演劇作品「生きづらさを抱える人たちの物語」を観に行きました。
https://ue-j.com/

社会の中で主流ではない、「他者」的とされる人たちや疎外されている人たちの声に耳を傾けることを目的にした「アンデザイアブル・エレメンツ(存在を望まれない分子たち)」シリーズの作品で、世界各国で難民や戦争孤児、社会的・人種的マイノリティーなど多岐に渡るテーマを取り上げて、演劇作品が創作・公演されています。

「生きづらさを抱える人たちの物語」は日本版オリジナル作品です。「生きづらさ」を抱えていて、自身の体験を表現して共有できる人を一般公募し、選ばれた6人の「個人の物語」を年代順につないで、「社会の物語」として再構築しています。

舞台上では、ご本人が当時の出来事や感情などを語っていきます。ご本人が語る言葉によって、まるでその場にいるような気持ちに引き寄せられ、「この時、こんな気持ちだったのかなあ」「私だったら、どうだろう?」「もし、家族や友だちだったら、どうしていただろう?」「この時代、私は何をしていただろう?」「どんな社会だっただろう?」など思いを馳せました。

同時に、自分の偏った見方や考え方などによって、傷つけてしまったであろう方々のことを思い出しました。「なんで、あんなことを言ってしまったのだろう」とずっと心にひっかかっていることがあります。

また、いつもは一括りにされても、それぞれ異なる事情を抱えているものです。本当に、一人ひとり、話を聞いてみないとわかりません。

私はシングルマザーですが、シングルマザーの中でも「未婚のシングルマザー」で、出産前後しばらくは近所の方々から厳しい反応をもらいましたし、社会制度・支援上でも「死別・離婚」のシングルマザーとは区別されています。また、同じ「未婚のシングルマザー」でも、一人ひとり置かれている状況が異なるので、出産前に閲覧したインターネット上にある叫びに近い形のメッセージが今も心に残っています。

そういうふうに、1人ひとり、それぞれにさまざまな物語を背負った人たちが生きていて、この世界がある・・・同作品は観た後、雨上がりの晴れた空みたいな気持ちになりました。

ドキュメンタリー演劇作品「生きづらさを抱える人たちの物語」は明日、1月27日(日)14時が最終公演です。チケット状況等は同公演ツイッターをご覧ください。
https://twitter.com/UE_2019


2019年1月6日日曜日

年賀状が育む、ゆるやかなつながり


ある求人情報誌の取材で、1度だけ同行していただいた営業担当の方と2011年から続く、年賀状のやりとり。

その方は「社交辞令的な年賀状が増えてきたから、徐々に減らしていこうと思っている」という話をしていたのに、なぜか職場ではなく、自宅の住所を交換して、年賀状のやりとりが始まりました。

その後、お仕事でご一緒することもなく、お会いすることも、何かで連絡を取り合うこともないのに、8年経った今も続いています。

「私が送っているから返事をくれているのではないか」と3年ほど前から私のほうから前のめりに出すことを控えたのですが、相手からの年賀状は毎年、元旦に届きます。

年々、交わすメッセージが増えていっているという不思議。年賀状だけだけど、積み重なっていっているものがあるなあと改めて、今年思いました。