2019年1月26日土曜日

「生きづらさを抱える人たちの物語」を観て


ドキュメンタリー演劇作品「生きづらさを抱える人たちの物語」を観に行きました。
https://ue-j.com/

社会の中で主流ではない、「他者」的とされる人たちや疎外されている人たちの声に耳を傾けることを目的にした「アンデザイアブル・エレメンツ(存在を望まれない分子たち)」シリーズの作品で、世界各国で難民や戦争孤児、社会的・人種的マイノリティーなど多岐に渡るテーマを取り上げて、演劇作品が創作・公演されています。

「生きづらさを抱える人たちの物語」は日本版オリジナル作品です。「生きづらさ」を抱えていて、自身の体験を表現して共有できる人を一般公募し、選ばれた6人の「個人の物語」を年代順につないで、「社会の物語」として再構築しています。

舞台上では、ご本人が当時の出来事や感情などを語っていきます。ご本人が語る言葉によって、まるでその場にいるような気持ちに引き寄せられ、「この時、こんな気持ちだったのかなあ」「私だったら、どうだろう?」「もし、家族や友だちだったら、どうしていただろう?」「この時代、私は何をしていただろう?」「どんな社会だっただろう?」など思いを馳せました。

同時に、自分の偏った見方や考え方などによって、傷つけてしまったであろう方々のことを思い出しました。「なんで、あんなことを言ってしまったのだろう」とずっと心にひっかかっていることがあります。

また、いつもは一括りにされても、それぞれ異なる事情を抱えているものです。本当に、一人ひとり、話を聞いてみないとわかりません。

私はシングルマザーですが、シングルマザーの中でも「未婚のシングルマザー」で、出産前後しばらくは近所の方々から厳しい反応をもらいましたし、社会制度・支援上でも「死別・離婚」のシングルマザーとは区別されています。また、同じ「未婚のシングルマザー」でも、一人ひとり置かれている状況が異なるので、出産前に閲覧したインターネット上にある叫びに近い形のメッセージが今も心に残っています。

そういうふうに、1人ひとり、それぞれにさまざまな物語を背負った人たちが生きていて、この世界がある・・・同作品は観た後、雨上がりの晴れた空みたいな気持ちになりました。

ドキュメンタリー演劇作品「生きづらさを抱える人たちの物語」は明日、1月27日(日)14時が最終公演です。チケット状況等は同公演ツイッターをご覧ください。
https://twitter.com/UE_2019


2019年1月6日日曜日

年賀状が育む、ゆるやかなつながり


ある求人情報誌の取材で、1度だけ同行していただいた営業担当の方と2011年から続く、年賀状のやりとり。

その方は「社交辞令的な年賀状が増えてきたから、徐々に減らしていこうと思っている」という話をしていたのに、なぜか職場ではなく、自宅の住所を交換して、年賀状のやりとりが始まりました。

その後、お仕事でご一緒することもなく、お会いすることも、何かで連絡を取り合うこともないのに、8年経った今も続いています。

「私が送っているから返事をくれているのではないか」と3年ほど前から私のほうから前のめりに出すことを控えたのですが、相手からの年賀状は毎年、元旦に届きます。

年々、交わすメッセージが増えていっているという不思議。年賀状だけだけど、積み重なっていっているものがあるなあと改めて、今年思いました。