2012年7月30日月曜日

さんじゅうねん



30年、生きてきました、生かされてきました。
母のおなかにいた頃からですと、プラス10ヶ月。
生まれる前から、母を中心に、いろんな人に支えられてきて、
生まれてからも、いろんな人に支えられてきました。

すでにお会いしている人たちはもちろん、
まだお会いしたことない人たちも含めて、
今、この瞬間、生きている人たちすべてに。
人だけではなく、すべてのものに。

“今”だけではなく、“昔”も含めて、
つながってきたからこそ、“今”があるのだと思います。
そして、“未来”があるから、“今”こうしているのだと思います。



毎朝、通勤途中に、
梅田でたくさんの人たちが行き交うのを見ながら、
ここを歩いている一人ひとりには物語があるのだなあ、
それを想像すると、果てしなくなりました。

2012年7月17日火曜日

そのまちから

まちのおっちゃんやおばちゃんに会いに行く日々。
その町から、
大切なことを守る、伝える活動をされている方々がいて、
そのわっかは少しずつ少しずつ広がって、
心地よいつながりを築いていっているのだと感じる。
いずれは、うねりになっていくのかなあと。

出会って、感じたことを、綴る。

☆ ★ ☆

素材にも製法にもとことんこだわり抜いているからこそ、自信がある・・・その豆腐を通じて、“食”への問題提起をし、食に携わる者として大切だと思うことを周囲へ伝えていく・・・豆腐職人のおじさんに取材。お店取材だったが、おじさんの心意気にぞっこん。惚れた!!

「年に2~3日くらいしか休まれへん。しんどい仕事やでー。儲からへんしな。会社員の方がずっとええで」「やめたいと思ったことは、何度もあるけど、15歳の頃からこれしかしてへんからなあ。やれることないねん」と笑いながら話す、おじさん。かっこいいと思った。

核となるものがあるからこその、強さ。

「お金を儲けよう」じゃない。人の身体によいものをつくる、それが当たり前だと思う、それによって貢献する・・・その対価としてのお金。

スーパーなどで売られている商品はどうだろう。「いかにお金を儲けるか」出発のものもあるだろうが、最初は「人の身体を元気にするものを」出発であっても、つくっていく段階で、コスト削減・いかに日もちさせるか・・・などが優先され、結局は「お金」が目的になるのではないかと思う。

企業がそうなったのも、考えない消費者が多いからだ。私も、そのひとり。

日常の、小さな一つひとつの選択が、社会を、未来をつくっていく。だからこそ、どうしていきたいのか、そこをしっかりと持って、選んでいかなければならない。


☆ ★ ☆

『大阪くらしの今昔館』へ。実物大で復元された、天保初年の大坂の町並みを歩きながら、“隣近所の人たちの息遣い”、そして“自然”を身近に感じられる町家のつくりに、いとおしさを感じる。

「遠くの親類より近くの他人」とは、まさにこのこと。醤油が足りなくなったら、隣の人に「ちょっと貸してくれへん」と借りに行く。そこでコミュニケーションが生まれる。そうやって助け合うことが、日常的だった。

今は違う。個人主義、自分一人で生きているという勘違い。住居の形も、そういった人々を体現している。そういった人の在り方が、住居をこんな形にしたのか。住居が、人の在り方をそうしてしまったのか。どちらも、そうなんだろうなあと。

「ここにいる」ということだけで、いろんな人や物に支えられている。生まれる前から、ずっと。当然のことながら、みんなで、みんなを支え合いながら生きている。


 
☆ ★ ☆

『堺伝統産業会館』へ。刃物や線香、注染和晒、緞通、昆布、自転車、和菓子など堺の伝統産業について、学習・体験・ショッピングできる施設。

「刃物が職人によって、いかにしてつくられているか」。その物がつくられている過程はもちろん、そもそも堺で刃物が発展したのは、仁徳天皇陵古墳という最大級の古墳をつくる技術から…など、過去からつながっているのだということを教えてくれる。

突然、その物が“今”誕生したわけではなく、こういう流れの中で誕生したという感覚。ひとつの物にも幾重のストーリーがあるわけで、ひとつの物からさまざまなストーリーを読み解ける感性。それが“わ(環)”を想像することなんだろうなあと思う。


☆ ★ ☆

天神橋筋商店街『たまいち土居陶器』の「おやじのうんちく」。ええこと、書いてはります。
http://www2.ocn.ne.jp/~doitoki/

商店街から、社会を変えていく。ほんまもんの人たちは、「この商品を売ったろう、設けたろう」「自分の店だけ繁盛したらええねん」とか考えてない。

自分の仕事で、どうやって役に立っていくか、どんな未来を描いていくか。そういうのを、ちゃんと見据えている。

☆ ★ ☆

“まちの休憩所”を個人で運営している方を取材しました。地域の方々も、観光に訪れた方々も、ほっと一息つける場所。

まちの歴史や文化に触れられるよう、資料を置いたり、展示をしたり。観光に訪れた方々に、まちのことを知ってもらうとともに、地域の方々とも共有、まちへの愛着や誇りを取り戻していく。愛着・誇りをもったまちの一人ひとりが、訪れる観光客をもてなす。

休憩所を通して、さまざまな人と人が出会う。それによって、紡がれるもの。

いとおしいつながりは、湖に広がる波のわっかのように、少しずつ、でも確実に、広がっているのだと感じました。

☆ ★ ☆

こういうおっちゃんやおばちゃんと出会うと、
元気と勇気をもらう。
じゃあ、わたしはどうする?