「どうして、その人はそんなことをしてしまうのか」。
原因を、その個人からではなく、
社会全体の視点から追究する『社会学』を、
大学で学んでいました。
自殺の原因も、
その個人の状況や心理から説明するのではなく、
社会の状況や特徴などからも考えることができるのだと、
社会学者・デュルケムによる『自殺論』(※)を学んで、知りました。
※19世紀末の自殺者の増加を受け、
「人はなぜ自殺するのか」について、社会的事実をもとに追究。
自殺を、自己本位的自殺、集団本位的自殺、
アノミー的自殺、宿命的自殺の4類型化した。
すべてが“個人のせい”というわけでも、
すべてが“社会のせい”というわけでもない。
自分という個性や特徴を持って生まれて、生きながら、
家族や友達、地域、社会、環境などさまざまな影響を受けて、
毎日の一つひとつが積み重なって。
そんなすべてが混ざり合っての、
自分であり、今であり。
北海道南幌町の自宅で、
高校2年生の女子が祖母と母親を殺害した事件、
その続報(南幌町にて嘆願書が集められている)をニュースで聞いて、
ぐるぐる考えながら、改めて思い出しました。