2024年10月26日土曜日

だから、“ARTcation”なんだ。

展覧会鑑賞後、出展者や創作風景を紹介した映像を観ながら感じました。堺市立健康福祉プラザで開催中の「sakai ARTcation 2024」(障害のある方々の芸術作品公募展)へ。

堺市内に在住・在学・在勤の障害のある人から公募した作品を中心に、「ドットアートキャラバンプロジェクト」に関わるアーティストの作品も展示されています。それぞれの「好き」「これを表現したい!」というエネルギーに満ち溢れた作品ばかり、その一つひとつがそれぞれに「見て!」と声をかけてくれるような展示でした。

たとえば・・・ある作者は“もじゃもじゃ鬼”を描いていました。みどりの、もじゃもじゃで。かわいいのに、鬼だからやっぱりこわくもあって、でもやっぱりかわいいから、ずっと前に立って見ていたいくらいになりました。

ある作者の好きな物が描かれたコミュニケーションボードには、“まごのて”がありました。「作品名は“好きな物”となっている中での、渋いチョイス!」「作品名はご本人がつけたのかな? その“まごのて”は好きなのか? 必需品なのか? どんなふうに使っているんだろう?」と想像が膨らみ、その人にお会いして尋ねてみたくなりました。

ある作者はJR阪和線が好きということで、その車両の造形物を。運転席にも入れるようになっていて、音とかもなりそう。運転している様子が思い浮かぶようでした。



公募展名の「ARTcation(アートケーション)」とは、「アートでコミュニケーション」の略・造語とのこと。“コミュニケーション”のきっかけ、機会、場になっているのです。

作品展を見て刺激を受けて、自分の表現を作品にして応募したくなる。作品展に向けて日々の中で少しずつ創作することが楽しみになる。創作する過程では、いろんな人たちとのやりとりが生まれる。作品展に応募して、作品が展示される。作品展を見に行く=外出のきっかけになる。作品展を見に行くと自分の作品が展示されていて嬉しいし、ほかの人たちの作品から刺激を受ける。知っている人はもちろん、いろんな人に見てもらえ、見た感想も伝えてもらえる。その場で出会った人と作品を介して、自然にやりとりが生まれる。ここでの出会いがきっかけで、「ドットアートキャラバンプロジェクト」の展示に作品を出展することになった出展者もいる。つくったものが、どこかで、知らない誰かを励ましている。その場には行けなくても、作品を展示していることで、いろいろな話を人づてに聞いたり、SNSで知ったり。同時進行で、一人ひとり、さまざまな日々があって。・・・そんな日々を11年も積み重ねてきた人たちもいて。

もっと、もっと。いろんなコミュニケーションが生まれているんですよね。堺市立健康福祉プラザの大内さんやドットアートキャラバンプロジェクトの玉登さんのお話をうかがいながら。そんなことを受けとりました。

開催は明日10月27日(日)まで。詳細はこちらからどうぞ。
http://www.sakai-kfp.info/CMS/06885.html



片山工房のメンバーさんの作品が展示されたコーナー「guest ART museum」があります! ぜひ、お立ち寄りいただけると嬉しいです。

2024年10月9日水曜日

願うこと


緑や黄緑の葉の中に、ちらほら赤い葉が。お花のように見えるし。この木は確か、百日紅。葉もこんなに赤く色づくんだ~と思いながら。この木が百日紅だったのかどうか、なんだかあやしくなってきて。また来年、花咲く時期に確かめられたらいいなぁと。

また一つ、楽しみが増えました。同時に、そんな状況であればいいなぁとも願っていました。

2024年10月8日火曜日

「なんとか なるなる きっと なる!」


「よっし!」と力が湧いてくる、魔法の言葉のように思えました。絵本『ナルくんのへんしんぼうし』の主人公・犬のナルくんの言葉です。

ある日、犬のナルくんの黄色い帽子が破れてしまいます。お気に入りの帽子だったから、かなしい気持ちなりますが、「なんとか なるなる きっと なる!」と気持ちを切り換え、自分で工夫して帽子を変身させます。その帽子を見たまわりの人たちから、次から次へとアイデが持ち寄られ、ナルくんにも、まわりの人たちにも素敵な出来事が起こるという物語です。

物語の作者は、絵本作家&児童書イラストレーターの田中よしみさん。田中さんのあとがきがこれまた素敵なんです! 「自分の思い通りにいかず、壁にぶつかったとき、なんとかしたいと考えて行動してみると、自分の予想していたことよりももっと素敵な出来事に出会えるかもしれません」(田中さんの「あとがき」より一部引用)

この絵本は2022年に発売されたもので、残念ながら現在購入はできません。しかし、田中さんの展覧会等で読むことができるほか、最新作『どんちゃんとぐりちゃんのぼうけん』など発表されています。詳しくは田中さんのホームページを見てみてください。
https://yoshimi-tanaka.com/

絵本『ナルくんのへんしんぼうし』
作/田中よしみ
絵/おざきえみ
発行/世界文化ワンダークリエイト
(現在は世界文化ワンダーグループ)
※表紙の写真掲載のご許可をいただいています。

★2024年10月16日(水)~22日(火)「えほんカルテット展」にご出展されるそうです。
https://bookhousecafe.jp/exhibition/content/1619

田中さんとは、フリーペーパー『えんを描く』をつくっていたからこそ、つながることのできたご縁! これを書きながら、出会って8年ほどが経つのだと、しみじみしてしまいました。

2024年10月6日日曜日

1本の毛糸から、あの羊へ

「sheep ship 生活くらぶ 手しごと三人展」へ。

手しごと作家の津玲子さんから、羊の毛を刈るところから糸を紡ぎ、毛糸にしていくプロセスについて、ご自身の体験談を交えながら教えていただき、娘と私も少し紡ぐ体験をさせていただきました。

その毛糸が、この手のひらの上のもの。


津さんが毛刈りした時に撮った写真も一緒に飾られていたので、この毛糸の羊につながる想い。この文章を書きながらも、あの羊はどんなふうに草原を駆けていたのかなと、ちょっぴり想像しちゃいました。羊といっても、険しい崖で暮らすものもいるようです。津さんのおかげで、“毛糸”から想像できることが増えました。

津さんと、もうおひとりの作家さんとのコラボブローチを♪ これから時々、私の“胸元ギャラリー”に飾ります。このブローチに気づいていただいた方に、今日のこんなことをお話ししたいですね。



津さんには以前、コラム「おてがみじかん」でインタビューさせていただきました。こちらからご覧いただけます。

お手紙とわたし~津玲子さん編~
①「自分の気持ちや想いを乗せやすいツール編」
https://www.kansai-woman.net/Column201823.html

②「お手紙が『今、ここ』以外の世界とのつなぎ目編」
https://www.kansai-woman.net/Column201825.html

③「年に1度、その人とやりとりできるチャンス編」
https://www.kansai-woman.net/Column201827.html

④「お手紙は自由。つくる楽しみもある編」
https://www.kansai-woman.net/Column201829.html