サルスベリの赤い花と、青い空。
この風景に出会うたび、思い出す1枚のハガキがあります。約8年前、沖縄県・竹富島から届いた“旅先からのお手紙”です。
青い空と白い雲を背景に、赤い花の写真が印刷されていました。花の種類は違うけれど、この季節になると決まって思い出します。書かれていたメッセージの内容は、正直ほとんど覚えていません。「旅先で楽しい時間を過ごされたのだなぁ」と感じたくらいの記憶しかないのに、不思議とそのハガキの写真を思い出し、次に差出人の顔が浮かんできます。そして毎年、「お元気かな」「しばらくお会いしていないけれど、またお会いできる日が楽しみだなぁ」と心の中でつぶやいてしまうのです。
何年経っても、ふいに心を揺らす。
お手紙には、そんな力があるのだと思います。
メッセージ以上に、手書きの文字や「旅先からわざわざ送ってくれた」という思いごと届いているからかもしれません。 受け取る私のほうもまた、一つの体験をしています。郵便受けから取り出して、まず写真に目をとめ、「あ、あの人からだ」と思い、そしてメッセージを読む。嬉しくて、心が躍る! そんな流れごと、記憶に刻まれているのだと思います。
だからやっぱり、お手紙っていいな。そう思うんです。
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